ひとまず

 新庄ジ軍を自由契約・・てなスポーツ新聞の見出しを横目で見つつ、そうか、ジ軍だ、「ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!」と唱えながらもやって来ました私の番だ。ここはコンビニのレジである。
 
 現在一般的に流通している貨幣の中でも最強の1万円札を差し出した。まさに切り札。どんなもんだい!という感じである。一瞬レジ係と私の間に静寂が走る。静寂というより、微妙な間の取り合いでもいおうか。両手をついてはっけよいである。その間わずか数秒なのであるが、そうは感じられない。そしてレジ係「1万円からよかったですかぁ?」だと?ばかもの!あたりまえだ。この最強のお札に何故硬貨をつける必要があろうか?一騎打ちにけちをつけるつもりか。しかしとりあえず答えは「はい」だ。この辺は紳士でなければいけない。

 冷静さを取り戻さんとしている矢先に次の攻撃だ。「ひとまず、大きいほうから・・」なんだぁそれは。
ひ・と・ま・ず
とは。しかも大きいほうだと。ひとまず休んでいる場合ではない。なに?大きいほう?五千円は大きいほうではない。大きいなかでも真ん中のやつだ。千円は大きいなかでも小さく、そして青いやつだ。だいたい紙幣と硬貨をわけてわたさず、紙幣を縦方向に緩やかに曲げ、それを皿にして、硬貨を載せ、一気に渡しなさい。それが無理ならセリフはこうだ。

  「大きい中でも真ん中のを1つ、大きい中でも小さくそして青いやつを4つ、間髪入れずに、小さい中でも大きいのを1つ、もう一段階小さいのを3つ、赤みがかったのを9つ、最後に黄色穴空を1つ」
こう言いなさい。ばかものが。

ん?偉そうに書いたが幾らの物買った?俺。

2002.11.18 / JUN